「化粧品輸入代行」見積書の読み方について

化粧品の輸入代行を利用しようと考えたとき、代行会社(製造販売業者)にまず見積書の作成を依頼することになると思います

そこで、化粧品輸入代行の見積書にはどのような項目があるのか、また実際どのような流れで輸入が進んでいくのか

各項目の作業内容と流れを見ていきたいと思います

代行会社によっては、ある項目ない項目があると思いますので参考程度にご確認くださいね(^^)

成分表チェック費用

まず最初に行うのが成分表のチェックです

日本国内で禁止されている成分が入っていないか、配合上限がある成分は上限を超えてしまっていないか、などを書面上で確認します

また、実際にどのように使用する製品なのかも同時に確認をされると思います

成分や使用方法などの内容によっては輸入不可という結果になることもあります

成分分析費用

実際の製品サンプルを使用して検査機関(社内に検査設備があれば社内で)にて成分の検査をします

ホルムアルデヒドなどの配合禁止成分が入っていないか、一般細菌数は基準値を超えていないか等、製造販売業者の検査基準に照らし合わせて検査項目を決定し行います

検査機関に委託する場合は実費(+手数料)となることが多いようです

こちらも検査結果によっては輸入不可となる可能性があります

外国届・製造販売届の作成・届出の費用

外国届(外国製造販売業者・外国製造業者)は1メーカーごと、製造販売届(化粧品製造販売届書)は1品目ごとに届出をする必要があります

初回輸入時はどちらも届出する必要がありますが、外国届は同じ製造所からの輸入であれば2回目以降の届出は不要、製造販売届も同じ品目の輸入であれば届出不要になります

輸入元のメーカーは一社である場合が多いので、外国届は1通のみということが多いですが、輸入する品目数は1品目だけということは稀かと思います

そのため、製造販売届は同時申請であれば2品目めからは割引をするという製造販売業者も多くあります

輸入代行手数料

輸入するごとにかかる手数料になります

インボイス価格を基準に3%〜5%程度かかる場合が多いようです

また、通関は委託している場合が多いと思いますので、その場合通関諸費用は実費となるケースが多いです

表示ラベル(法定表示)デザイン費用

輸入した製品に貼る日本語表示ラベルのデザイン費になります

記載しなければならない法定表示事項が抜けていないか、全成分が間違いなく記載されているかなどを確認しながらデザインします

海外の製造工場で最初から容器自体に日本語表示を印刷する場合などは、容器への印刷前に間違いがないかどうか確認します

ラベル貼り費用

日本語表示ラベルを容器に貼り付ける場合に掛かってくる費用です

作業としては製造業者の管轄となりますが、製造販売業者が同時に製造業の資格を取得している場合や、提携先があれば金額を一緒に提示してくれると思います

製造販売業者と製造業者の違いについてはこちらの記事を参照してください↓(^^)

在庫保管費用・発送費用

こちらも上の項目に同じく製造業者の管轄ですが、製造販売業者が同時に金額を提示してくれる場合も多いです

ロット管理費用

化粧品の製造販売元は、製造ロットごとに製品を管理し、製品に何らかの問題があった場合は状況を確認し必要があれば回収する責任があります

そのため、サンプル品の保管や製造記録・出荷記録などの情報も作成し保管する義務があります

それらを作成・管理する費用がロット管理費になります

この項目は月額で掛かってくるランニングコストとなります

まとめ

製造販売業者によって検査基準が違っていたり、出荷判定(検品基準)が厳しかったり、様々な特色によって金額にも開きがあるように感じます

例えば成分分析は手を抜かずやって欲しい、出荷前の検品は厳しく見て欲しい、などなど

前回の記事同様、ここでも製造販売業者との相性がとても大事になってくると思いますので、複数の企業から話しを聞き相見積を取り、慎重にパートナーを探してみてくださいね(^^)

「化粧品輸入」製造販売業と製造業の違いとは?輸入代行業者を選ぶ基準について

化粧品を輸入しようと考えた時、実際に必要な資格とはどのようなものでしょうか

ここでは実際に商品を販売する「発売元」の方向けに、「製造販売業者」「製造業者」の違いや代行を依頼する場合の選択基準について記載していきます

化粧品製造販売業とは

まず最初に、輸入する際に必要となる「化粧品製造販売業」とはどのような資格でしょうか

化粧品を販売し、賃貸し、または授与すること。 引用:薬事日報社「化粧品・医薬部外品 製造販売ガイドブック2017」

賃貸やら授与やら分かりにくいですよね笑

私なりにとーっても簡単に解釈してしまうと、、

日本国内で製造した製品でも輸入した製品でも、国内で販売・流通させるために必要な資格であり、

製品に対して最終的に責任を取る立場であると思っておくと、分かりやすいと思います

製品に不備などがあった場合、回収などを行うのも製造販売業者の責任のもと行われています

化粧品製造業とは

次に、日本国内に入ってから必要となってくる「化粧品製造業」についてです

製造とは、一般に、製品を実際に製造することであるが、薬機法においては、製品の包装・表示・保管などの工程のみを行う場合でも製造である。 引用:薬事日報社「化粧品・医薬部外品 製造販売ガイドブック2017」

化粧品の製造業には二つの種類があります

一般的に「製造」と聞いてイメージするような、広いクリーンルームで原材料を仕入れてきて、大きな鍋で混ぜて‥というような作業を行うのは「化粧品製造業(一般)」という区分です

これは構造設備も人的要件も厳しめになっていますが、化粧品を輸入して販売するような場合はここまでの資格は必要ありません

今回必要となってくるのは「化粧品製造業(包装・表示・保管)」という区分です

これは見た通り、外装包装をしたり、表示ラベルを貼り付けたり、保管をするための資格です

作業スペースや保管場所など、ある程度の広さが必要となってくるので、倉庫などが所持していることが多い資格となっています

化粧品「製造販売業者」「製造業者(包装・表示・保管)」選ぶ基準は?

どちらの資格も許可をもらうためには設備や人的要件が厳しく、一から取るのは少しハードルが高いと思います

そのため個人や中小の企業の方が化粧品輸入を始める時は、代行業者を利用することが多いですね

では、代行業者を選ぶ基準とはどのようなものでしょうか

「製造販売業者」を選ぶ基準

製造販売業者は上に記載した通り、出荷判定をし最終的に責任を取る立場にあります

もし製品に何らかの不備があり回収となった場合、製造販売業者だけでなく発売元の信用も失われる事になってしまいます

そのため丁寧に成分や品質を確認する事はもちろん、コミュニケーションが取りやすく、責任を持って最後まで対応できる会社を選ぶことが大事になってきます

また、製品の裏面表示には製造販売元の名称・住所を記載する必要がありますので、例えば住所は東京がいいからとか、そのような理由で選ばれる方もいらっしゃいます

「製造業者(包装・表示・保管)」を選ぶ基準

製造業者は検品や表示ラベルの貼り付けなどを行い、製品を保管する必要があります

そのため、設備が清潔であること、丁寧に製品を扱えることが最も重要かと思います

上に書いたように製造業(包装・表示・保管)の資格は倉庫などが持っていることが多く、広いスペースを必要とすることから都心から少し離れたところにある事が多いです

信頼できる製造業者であれば輸入のたびに足を運んで全製品を確認する、というよう事もしなくて大丈夫かと思いますが、心配な方は近場で探すことをお勧めします

まとめ

まとめます!

化粧品を輸入する際には「化粧品製造販売業」と「化粧品製造業」どちらの資格も必要となってきます

「製造販売業」許可だけでは作業や保管が出来ないですし、

「製造業」許可だけでは輸入・流通させることができません

また、最終的に流通させてOK!という出荷判定は「製造販売業者」が行いますが、輸入した製品を検品したり、日本語表示ラベルを貼り付けたりを「製造業者」に委託することも多いと思います

中には「製造販売業」「製造業」どちらの資格も保有している会社もありますので、まとめてお願いしたいという場合はそのような会社を探してみるのもいいと思います

「発売元」「製造販売業者」「製造業者」の三者が信頼し協力し合える関係であることが、化粧品を安全に輸入・流通させる上でとても大事なことだと思いますので、相性のいいパートナーを探すことが一番大事なことかなと思います(^^)